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成都(2013年5月):人と街

(今回見てきた人と街についての雑感メモです。調査については日を改めて書こうと思います。)

仕事を離れて1か月あまり。
行けるときに行こう、ということで、成都へ行ってきた。
主目的は、四川省西部の言語を教わることだが、当該地域はここ数年外国人の立ち入りが制限されており、直接行くことができないので、成都に住む母語話者に教わるというのを続けている。

成都は、2000年以降、毎年行っている街だが、ここ10年の町並みの変化はすごいものがある。去年9月は市中心部のぴかぴかの夜におどろいた。

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今は、地下鉄の工事が進められている。
いつもお世話になっている西南民族大学の目の前が、ちょうど、工事中だった。これが3号線の一部らしい(1号線は去年から営業運転が始まっており、2号線もそろそろ開通した頃)。

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数年前には、「街は変わっても人は変わらないね~(良くも悪くも)」なんて笑っていたものだが、今回は、人も変わってきているように感じることがあった。

twitterにも書いた、スマートフォンで微信 (WeChat)。今回会った人たち(調査対象地域出身者=ほとんど“チベット人”、および、その周りの漢人たち)を見る限り、チベット語が使える iPhone の普及率がすごい。そして、ちょっとした合間にさっと出して画面を触る。

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スマートフォンに限らず、「いい」と思うものがあればさっと手を伸ばす、そんな活力(もしかしたらバブル指向)を随所に感じた。たとえば、高級ホテルの中にできた日本料理店。華美すぎず、隅々まで清潔感があり、しっとりと落ち着いた雰囲気の店内。店員さんはほほえみながら柔らかく上品な口調で対応してくれる。「この店は静かでいいよね」と、招待者(高収入の漢人)が言い、主賓のチベット人(この方も高収入)も同意していた。同席した一人は、生まれも育ちも四川の人だが、「わたし、鰻が大好き」と、全く日本風の味付けの蒲焼きをぱくぱくと食べていた。「中国人は賑やかなところで豪快に食べるのが好き」「中国では細やかなサービスによる付加価値は大して好まれない」「四川人にとって味付けは麻辣(痺れる辛さ)じゃなきゃ」といった先入観はもはや古いのかもしれない。少なくとも“セレブ”な人たちは新しい価値を認め、求め、手に入れているらしい。

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四川省内のチベット地域出身の学生は、“チベット人”ではあるが、「両親世代も、私たちも、普段お寺にお参りするということはないし、お経も知らない。地元のお寺の宗派もよく分からない」「実はチベット料理より四川料理の方が好き」「大学進学までチベット文字を習ったこともなかった」という。
これはもちろん、ここ数年の話ではなく、何十年かの変化。それでも歴史上十分に急激な変化には違いない。

四川の人々が持つ、のんびりと温かい空気は変わらない。この人と街の変化は、日本など遠方から訪れる人にとってはむしろ過ごしやすさにつながるくらいだろう。一方で、疾走して遠ざかる人を見るときのような、頼もしさの陰の寂しさやら不安やらを感じないでもなかった。


※本文中、引用符付きで“チベット人”としたのは、ギャロン人・スタウ人・ダパ人等、言語文化的にはチベットと区別すべきだが民族アイデンティティがチベット人である人々(チベット文化圏の人々)を含む、広義のチベット人を意味します。

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